MyStory

働くことと暮らすこと。

私の中ではどちらも混じり合って、切り離せない。

同じくらい大切なこと。

暮らしを大事にしながら
クリエイティブな「私」で仕事をしていく
それはきっと誰にでもできることだと思うんです。

私は幼い頃から文章を読んだり書くことが好きでした。

図書館に行って、好きな作家の本を棚ごと片っ端から読んでいました。

自分で物語を書いたりもしていました。

そんな空想好きだった私も、

わりと現実的で最初の就職は公務員でした。

そこで、最初に商店街の活性化を任されて、

イベントを立ち上げたり、若手の事業者を支援したり。

魅力的な個店づくりをコンサルタントとお手伝いしたりしました。

道路拡張のために土地の持ち主と売買契約を結ぶために用地交渉をしたことも。

どんな仕事でも、大事だったのは人と人の信頼関係。

頑なだった相手が少しずつ心を開いてくれて、

「あの人のいうことなら、聞いてみてもいいんじゃない」。

少しでもそう思ってくれたら、第1歩です。

仕事に手応えを感じ始めたそんな頃、母が急逝し、

殆ど料理をしなかった私が、実家で料理の手を振るうことになりました。

それがきっかけで、これまであまり興味がなかった、食べ物のことに関心を持ち始めました。

それからは、食品流通や食品安全を支えるIT技術について学びました。

物品の流通経路を生産段階から消費段階まで追跡するトレーサビリティ実証実験のために中国へ行ったりもしました。

実際に、生産現場、卸、小売の現場を見て歩いて、

生産者と消費者の距離が離れてきているのではなかろうかと感じました。

消費者に食品の情報をどうやって伝えたらいいだろうか。

生産者と消費者を繋げる仕組みができないだろうか。

そう思って、公務員を辞めた後に、

政策を研究するため公共政策大学院に進学。

農業政策やリスクコミュニケーション(専門家と一般の人との間での対話する技術)、

ライティング(文章を書く技術)の技術を学んだのでした。

その傍ら、北海道由仁町で農家さんに野菜の作り方を習いながら、2年間畑を耕していました。

畑のすぐ横にあるビニールハウスで、収穫したばかりの野菜を料理して食べたワクワク感が今も忘れられません。

このことが、食品ライターに繋がっていきました。

卒業後は、食品コンサルタント会社で食品トレンド情報を集めたり、

専門家の科学ニュースについてコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしたりしましたが、

初めての出産を経て子育てに悩んでいた私は、時間を捻出するために

在宅で食品ライターをするようになり

食品に関する様々な記事を書きました。

ジャンルを問わず、社員食堂、農福連携、小麦、TPP、コメ不足、機能性表示食品、アレルギー、麹ブーム、食品企業のSNS活用、HACCP、百貨店の販売戦略など。

次第に、執筆や講演を頼まれるようになりました。

どれも自分で考えたテーマでしたが、

自分で調べたり、人から聞いたりして話をまとめているだけで、私は食品の専門家ではありません。

第二子の出産をきっかけに、このままでいいのか、現実を突きつけられました。

自分で使える時間がさらに限られてきたので、

ふと、働くお母さんたちはどうやって仕事を続けているのだろうか、

続けているからには、工夫のようなものがあるのではないか、

そう思って始めたのが

一田憲子さんのサイト「お母さんが働くってどういうこと?」の連載です。

最初は「doux.ce」を主催するフラワースタイリストの谷匡子さん、

次に「グロービス経営大学院」で教鞭をとっている難波美帆さん、

3人のお子さんを産んだ後に子連れでハーバードの大学院に留学された産婦人科医の吉田穂波さん、

フリーランスでイベントや展示会などの企画・デザインをしている大内美生さん。

「お母さんが働くってどういうこと?」記事はこちらからhttp://ichidanoriko.com

その後も色んなお母さんを取材するうちに、

単に子育ての話だけではなく

その人の生き方、仕事との向き合い方、人生との向き合い方に繋がっていることに気づきました。

私は、人と人を繋ぎ、色んな考え方があることを伝えたい。

良い悪いの二律背反で対立を煽るのではなく、考えを押し付けるのでもなく、

少しでも読んだ人が楽になれるように、

迷った時に縁(よすが)となれるように。

読んだ人がいいと思ってくれたら、

その読み手がまた誰かに手渡せるような循環(和)を作っていきたいという思いで記事を書いてきました。

今に至るのは、第二子出産後にふと写真を学びたくなったから。

子供を預けて1ヶ月に一回、都内のカメラ教室に通い始めたんです。

映像の魅力のとりこになった私は、

友人に勧められて動画を学び始めました。

何かをやりたいと思った時、

「それをやって何になるの?」「これが正解?」とか

やりたい気持ちに蓋をして秒で打ち消してしまうことはないですか?

私はピンときたことをやってみることにして

まずは動画クリエイターの講座に申し込みました。

動画クリエイターの講座では、

一眼レフでインタビュー動画を撮影して編集するという内容でした。

(これが今のインタビュー動画制作に至るきっかけになりました)

講座では撮影の後、編集のレクチャーもあったのですが編集は全く進まず・・・

自宅に帰ってから数日かけて編集しました。

最初はそんな感じでした。

だから、動画編集は誰でもできると思うし、

ズブの素人だったからこそ、初心者の目線に立って教えることができると思います。

動画は五感に訴えかけるツールです。

音、文字、映像…。

人間の頭にも情報が入りやすいと言われています。

「この場面の何に惹かれたのか」

動画編集を突き詰めていくと、

自分自身と向き合うことになり、

感性が育っていき、

世界観が濃くなっていきます。

感性だけはテクニックでは真似ができない。

人はそれぞれ持っている視点や感性が違う。

正解はない。

動画編集を始めてからの発見でした。

私は動画をお仕事にしてから起業した後、

何が変わったかと考えてみると、

土台になるマインドと

セルフイメージが大きく変わりました。

自分の名前で仕事をするということは

正解なんてないし、

正解は自分で探していくものだし自分で作っていくものです。

それは、自分との信頼関係がなければできないことだと思います。

最初から信頼関係はなかった。

ちょっとずつやりたいことを叶えていった結果、少しずつ信頼関係が育っていったんですよね。

だけど、一つだけ言えるのは、

全部スモールステップだったということ。

最初から大きな目標を掲げず、

目の前の小さなことに取り組む。

やってみたいという思いに蓋をしない。

その繰り返しでちょっとずつ大きなことに挑戦できるようになってきました。

こんな私でもできたことは、きっと誰にでもできる。

暮らしを大切にしながら

クリエイティブな「私」で仕事をしていく。

子育て中でも未経験者でも

いつからでも自分の人生はクリエイトできる。

そのことを伝えていきたいし、これからも素敵な女性たちの想いを伝えていきたいと思うのです。